私たちは何を売っているのか「起業家の迷いに、灯りをともす。」
昔、電気が世の中に広がり始めたころ、電力会社は「電気を売る」とは言わなかった、といわれています。電気という技術そのものではなく、「夜のあかり」を売った。
つまり、技術ではなく、その技術によって人の暮らしに何が起きるのかを伝えたということです。この話を考えていると、今のAIにも同じ問いを向けることができます。AIにとっての「夜のあかり」とは何だろう。
そして同時に、もう一つの問いが浮かびました。では、バリュー・クリエイションにとっての「夜のあかり」とは何だろう。
私たちは何を売っているのか。
この問いを、バリュー・クリエイション自身にも向けてみました。私たちは、起業家や経営者に対して、さまざまな支援を行っています。
戦略を考える。事業計画をつくる。財務を分析する。新規事業を検討する。経営課題を整理する。壁打ちをする。AIを活用する。そして必要に応じて、学びの場も提供する。
しかし、これらもすべて「電気」に相当するものです。手段であり、機能です。では、その先で、お客様が本当に受け取っているものは何なのか。考えていく中で、一つの言葉にたどり着きました。
起業家の迷いに、灯りをともす。これなのではないかと思います。起業家には、何度も「迷い」が訪れる。起業にも経営にも、正解はありません。
この事業を続けてよいのか。新しい事業に進むべきか。人を採用するべきか。価格を上げるべきか。投資してよいのか。資金は持つのか。この方向で本当にいいのか。もう少し続けるべきか。それとも、やめるべきか。
経営者は、こうした問いに何度も向き合います。そして最後に決めるのは、自分自身です。だからこそ、迷います。この「迷い」は、単なる不安とは少し違います。不安は感情です。しかし迷いには、どちらへ進むのか。何を選ぶのか。という意思決定があります。
バリュー・クリエイションが向き合っているのは、まさにこの部分です。
答えを渡すのではなく、見えるようにする
私たちは、経営者に代わって答えを決めることはできません。代わりに経営することもできません。最後に進む方向を決めるのは、本人です。
だから私たちの役割は、「こちらへ行きなさい」と答えを渡すことではないと思っています。
現在地を整理する。見えていなかった選択肢を出す。数字を見る。事業を見る。顧客を見る。市場を見る。本人の思いを見る。必要であればAIも使う。そうやって、一緒に考えていく。
すると、それまで暗くて見えなかったところに、少しずつ輪郭が現れてきます。そして、「次は、ここへ進もう。」と本人が決められる状態になる。それが、私たちの仕事なのだと思います。
一人では見えなかった、次の一歩を。
この考えを、もう一つの言葉にすると、一人では見えなかった、次の一歩を。となります。私たちがつくるのは、答えではありません。次の一歩が見える状態です。迷いがなくなるわけではない。経営に、迷いは何度でも訪れます。だからこそ、そのたびに一緒に現在地を確認し、先を照らす。そしてまた、自分の足で歩き始める。それを支えることが、バリュー・クリエイションの役割です。
「起業家を、決して孤独にしない。」とのつながり
私たちは、「起業家を、決して孤独にしない。」という言葉を掲げています。
今回考えた「起業家の迷いに、灯りをともす。」という言葉は、この考えと深くつながっています。孤独にしないというのは、単にそばにいることではありません。迷ったとき、一緒に考える。見えなくなったとき、一緒に照らす。決められなくなったとき、現在地を整理する。
そして、また本人が前へ進める状態をつくる。それが、私たちの考える「孤独にしない」です。
AI時代だからこそ、人が灯りになる
AIが進化すればするほど、人間ができることは増えていきます。一人でも、これまで以上に大きな仕事ができる。一人でも、深く考えられる。一人でも、速く進める。
けれども、「どちらへ進むのか」までAIが決めてくれるわけではありません。最後に選ぶのは、人間です。そして、経営者が本当に苦しくなるのは、知識が足りないときだけではありません。選択肢が多すぎるとき。正解がないとき。どちらへ進むべきか見えなくなったときです。
だからAI時代になればなるほど、
人と一緒に考えること。
迷いを言葉にすること。
次の一歩が見えるところまで伴走すること。
こうした人間の役割は、むしろ重要になるのではないかと思っています。
私たちが売っているもの
改めて考えると、私たちが売っているものは、コンサルティングそのものではありません。
戦略でもありません。財務分析でもありません。事業計画でもありません。AIでもありません。それらはすべて、灯りをともすための手段です。
私たちが本当に提供しているものは、迷いの中にいる起業家が、もう一度先を見て、自分で次の一歩を踏み出せること。なのだと思います。
電気が夜を照らしたように。AIが人間の可能性を広げていくように。
バリュー・クリエイションは、起業家の迷いに、灯りをともす。
そして、
一人では見えなかった、次の一歩を。
これからも、起業前から、起業後のその先まで。挑戦する人のそばで、一緒に未来を照らしていきたいと思います。
