ChatGPT Image 2.5で「文章を伝わる形に変える」
テキスト資料のビジュアル化とWebサイトのチラシ化を試す
生成AIというと、文章を書いたり、情報を調べたりする用途がまず思い浮かびます。
しかし最近、私が関心を持っているのは、文章そのものをつくることよりも、すでにある情報を「伝わる形」に変換することです。
文章で整理された企画書や事業説明を、イラストや画像、テキストを使った1枚の資料にする。
Webサイトに掲載している会社の考え方やサービス内容を、初めて見る人にも短時間で理解できるチラシにする。
今回は、ChatGPT Image 2.5を使って、こうした「文章情報のビジュアル化」と「Webサイトのチラシ化」が、どこまで実務で使えるのかを試してみました。
文章は整理されていても、伝わるとは限らない
経営支援の仕事をしていると、事業計画、サービス説明、制度設計、事業フローなど、多くの文章資料を扱います。
内容としては正しくても、文章だけでは全体像を把握しにくいことがあります。
例えば、
「誰が利用するのか」
「どのような順番で進むのか」
「何が提供されるのか」
「利用すると何が変わるのか」
といった情報です。
文章を読めば理解できます。しかし、その内容を初めて見る人に短時間で理解してもらおうとすると、文章だけでは負荷が大きくなります。
そこで、試したのが、文章をAIに読み込ませ、その内容をイラスト、図形、アイコン、短いテキストで再構成する方法です。
単純に文章を画像にするのではありません。
文章の中にある構造を読み取り、情報の優先順位を整理し、視覚的なストーリーに組み替えます。
私はこれを、「資料をつくる」というより、「情報をリデザインする作業」に近いと感じています。
Webサイトそのものを1枚のチラシへ
もう一つ試したのが、自社Webサイトのチラシ化です。
バリュー・クリエイション株式会社のWebサイトには、
「起業家を、決して孤独にしない。」
というメッセージを中心に、
StartUP 戦略スクール、社外経営企画室、ダイレクトパスという3つのサービス、さらにEntrepreneur Life Cycle Managementという考え方を掲載しています。
Webサイトであれば、ページを移動しながら詳しく説明できます。
しかし、イベントや面談、紹介の場では、
「この会社は何をしているのか」
を1枚で伝えられる資料も必要です。
そこで、WebサイトのTOP、SERVICE、CONCEPTの3ページのURLをもとに、A4サイズのPRチラシを生成するイメージでChatGPT Image 2.5で画像化し制作してみました。
▶︎ 生成した画像をPDFにしたものはこちら
広島を拠点としていることが伝わるよう、原爆ドームのビジュアルを出力しました。一方で、広島駅のイラスト、会社ロゴ、私の画像、30分無料相談ページのQRコードは用意したものを読み込ませて、1枚にまとめました。
Webサイトとは異なる情報設計ですが、会社として伝えたい内容は同じです。
つまり、Webサイトをそのまま縮小するのではなく、Webサイトの情報を「A4一枚で伝わる構成」に再編集したものとなりました。
実験して分かった、画像生成AIの強み
実際に使ってみると、ChatGPT Image 2.5の強みはかなり明確でした。
特に優れていると感じたのは、全体の構図を短時間でつくるデザイン力です。
文章で
「広島を背景に、起業前から成長、意思決定までの流れを表現したい」
「3つのサービスを並べたい」
「代表者紹介と無料相談への導線も入れたい」
と指示すると、それらを1枚の中に配置し、ある程度まとまったデザインとして提示してくれます。
これまでは、CANVAを開き、サンフプルレイアウトを選定し1つずつ手作業でデザインしていました。。
生成AIを使うことで、その最初のたたき台を数分でつくることができます。
これは非常に大きな変化です。
特に、
「頭の中にはイメージがあるが、デザインとして説明できない」
という場面で、AIは有効です。
一度画像として出てくれば、
「ここは違う」
「この部分を大きくしたい」
「この写真に変えたい」
と、具体的な細やかな修正指示ができるようになります。
一方で、文字にはまだ課題がある
今回の実験で最も大きな課題となったのが、文字でした。
画面上で見ると一見きれいでも、拡大すると日本語が少し崩れていたり、小さな文字が不鮮明になります。
特に、
住所、URL、電話番号、サービス説明の本文など、正確性が要求される小さな文字には注意が必要です。
そこで途中から、考え方を変えました。
「文字をもっときれいに生成して」「解像度を高くして」と指示するのではなく、
文字そのものを画像生成AIに描かせない。
背景、装飾、図形、アイコン、全体レイアウトはAIに画像生成させ、
日本語の見出しや本文は、実際のフォントを使って組版するよう指示します。
会社ロゴや代表者写真もAIで描き直さず、元画像をそのまま使用する。
QRコードも生成画像ではなく、実際のURLから生成したものを配置する。
こうしたハイブリッド方式の方が、実務用途には適していると感じました。
AIだけで完成させない
今回の実験で改めて感じたのは、生成AIを「完成品を自動的につくる道具」と考えない方がよいということです。
むしろ、AIが構想し、人が仕上げるという役割分担が重要です。
AIは、アイデアを出し、構成を考え、ビジュアルの方向性を短時間で提示することが得意です。
一方で、人間は、
正確な文字、事実確認、ブランド表現、情報の優先順位、最終的な品質管理を担当する。
この組み合わせによって、スピードと品質を両立できます。
これは画像生成に限らず、生成AIを実務に導入するときの基本的な考え方ではないかと思います。
「資料作成」から「コミュニケーション設計」へ
今回、文章資料やWebサイト情報を画像に変換してみて、私自身の捉え方も少し変わりました。
これは単なる「資料作成の効率化」ではありません。
情報を、言語化からビジュアル化に変換する作業です。
同じ内容でも、
Webサイトで伝える場合、
営業資料として伝える場合、
マニュアル化する場合、
セミナー資料として伝える場合では、
最適な表現は異なります。
これまでは、それぞれの媒体ごとに資料をつくっていました。
今後は、一つの情報資産を起点に、生成AIを使い、
Webサイト → チラシ
文章 → 図解
事業計画 → 1枚資料
講義資料 → SNS画像
サービス説明 → 営業資料
と、目的に応じてさまざまな形へ変換していくことができるようになります。
私は、これをChatGPT Image2.5 を実験的に使って気づきました。
AI-Nativeとは、AIに全部任せることではない
バリュー・クリエイションでは、AI-Nativeな経営支援へのシフトを進めています。
しかし、AI-Nativeとは、何でもAIにやらせることではありません。
人が考えるべきことと、AIに任せるべきことを整理し、仕事そのものを再設計することだと考えています。
今回のチラシ制作もその一つです。
文章を書く。
AIが構造を読み取る。
ビジュアルとして再構成する。
人が内容を確認しアレンジする。
正確な文字や写真を組み込み、完成させる。
従来とは異なる制作プロセスが生まれています。
生成AIの進化によって、これまで専門的なデザインスキルが必要だった領域にも、経営者やコンサルタント自身が直接関われるようになってきました。
もちろん、まだ完成された技術ではありません。
だからこそ、実際の仕事の中で試しながら、
「どこまでAIに任せられるのか」「どこから人が担うべきなのか」
を見極めていくことが重要だと思います。
今回の実験も、その一つです。
文章を、伝わる形へ。
Webサイトを、持ち歩ける1枚へ。
生成AIは、単に画像をつくる道具から、情報を再編集し、コミュニケーションを設計する道具へ進化しつつあるのかもしれません。
今後も、実際の経営支援や起業家支援の中で検証していきたいと思います。
