Claude Code 「フォルダ設計」
Claude Code 活用法について、私は少しずつ考え方が変わってきました。
以前は、Claude Codeを「作業を手伝ってくれるAIツール」として見ていました。
しかし今は、
ひとつのMy AI Brain、
あるいは自分専用の AI コンサルティングファームのように感じています。
そのきっかけになったのが、Claude Codeでの「フォルダ設計」です。
最初は、ひとつのフォルダから始める
私が新しいテーマに取り組むときは、まずひとつのフォルダを作ります。
そこに最初から大量の資料を入れるわけではありません。
まず入れるのは、「今回、自分は何をやりたいのか」を書いたPDFです。
そのうえでClaude Codeに、
「このPDFを読んで、目的を達成するために最適なフォルダ構造を作って。CLAUDE.mdも作成してください」と指示します。
つまり、最初から私自身が細かいフォルダ構造を決めることはしません。
目的を伝え、その目的に合った構造をClaude Code自身に考えてもらいます。
これが現在の私の基本的な使い方です。
フォルダは「資料保管庫」ではない
通常、フォルダは資料を整理するためのものです。
しかしClaude Codeでは、少し意味が変わってきます。
例えば、「顧客」「市場」「財務」「戦略」「分析」「意思決定」「成果物」
といった構造を作ることは、単なる整理ではありません。
Claude Codeに、
「このテーマを、どのような視点で考えるのか」を教えることでもあります。
そのため私は最近、
「フォルダ設計=頭脳設計」と考えるようになりました。
資料を入れるだけでは、知識にならない
実際の運用では、新しい資料を追加して終わりではありません。
私は次のような流れで使っています。
原本資料を入れる
↓
Claude Codeに読ませる
↓
Claudeからコメントをもらう
↓
さらに質問や指示を返す
↓
既存資料との関係を考える
↓
必要に応じて知識構造を更新する
例えば、決算報告書・法人税申告書等一式のPDFを入れたとします。
そのとき、Claude Codeは、次の5つのような多様な視点でみます。
「1. 業種は何か」
「2. 単年度ではなく、前期比較で見る」
「3. 決算書をベースに、別表と内訳書を裏取りに使う」
「4. 利益ではなく「耐久力」を見る」
「5. 法人事業概況説明書の裏面の月次データを重要視する」
その上で、私は特異性や注意すべき点を、特記事項としてClaudeに伝えます。
つまり、資料を読ませているだけではありません。
資料をClaudeとの対話によって、予備知識を与えながら、“価値ある知識”へ変換するという感覚です。
INBOXを「知識の入口」にする
また、新しく入った資料を一度まとめて入れる
00_INBOX
のようなフォルダを作るのも有益と考えています。
新しい資料をいきなり「市場」「財務」「顧客」と分類するのではなく、
まずINBOXに入れる。そしてClaude Codeに読ませる。
そのうえで、
「この資料は何を意味しているのか」
「既存の知識に何を追加すべきか」
「どこに整理するのがよいか」
を考えてもらいます。
つまりINBOXは、単なる未整理資料の置き場ではありません。
My AI Brainに新しい情報を取り込む入口 です。
士業等では「証拠フォルダ」「原本資料フォルダ」に相当します。
そして、Wordファイルは別の場所にも集めておくと便利です
Claude Codeを使っていると、分析レポートや提案書など、Wordファイルを作成することも多くなります。
例えば、
「財務」フォルダで財務分析レポートを作る。
「市場」フォルダで市場調査レポートを作る。
そのままでも問題はありません。
ただ、後から作成したWordファイルだけを探そうとすると、
「あのファイルはどこだっただろう」となることがあります。
そこで私は、元のフォルダにはWordファイルを残したまま、
Wordファイルだけを集めた専用フォルダにもコピーするという工夫をしています。
例えば、
PROJECT
│
├─ 戦略
│ └─ 戦略分析レポート.docx
│
├─ 財務
│ └─ 財務分析レポート.docx
│
├─ 市場
│ └─ 市場調査レポート.docx
│
└─ WORD
├─ 戦略分析レポート.docx
├─ 財務分析レポート.docx
└─ 市場調査レポート.docx
この方法なら、テーマから探すこともできる。
Word成果物だけ一覧で見ることもできる。
私はこれを、
「知識としての保存」と「成果物としての保存」を分けると考えています。
CLAUDE.mdは「働き方」を決める
もうひとつ重要なのが、CLAUDE.mdです。
ここには、すべての知識を書き込む必要はありません。
むしろ、Claude Codeに、このプロジェクトでどう考え、どう働いてほしいのか
を書く場所だと思っています。
例えば、
- 事実と推測を分ける
- 既存資料を優先する
- 資料同士の矛盾を指摘する
- 新しい資料は既存知識と比較する
- 重要な意思決定には理由を残す
- 途中分析と最終成果物を分ける
といったものです。
会社に例えるなら、CLAUDE.mdはAIの就業規則や経営方針に近いものです。
「何を決めたか」も残しておく
AIを使っていると、短時間に多くのアイデアや分析結果が生まれます。
そのため、
「なぜこの結論になったのか」が分からなくなることがあります。
そこで、DECISIONS.mdのようなファイルを作り、
「何を決めたか」
「なぜそう決めたか」を残しておく。これも重要だと思っています。
こうした意思決定の履歴が蓄積されれば、Claude Codeは将来、
「今回の方針は、以前の判断と矛盾しています」といった指摘もできるようになります。
ここまで来ると、フォルダは単なる資料庫ではありません。組織の記憶になってきます。
さらに進むと「AIチーム」になる
知識が増えてくると、次は役割分担を考えられるようになります。
例えば、
- 戦略担当
- 財務担当
- 市場調査担当
- リスク担当
- 批判的にチェックする担当
- 全体をまとめる担当
といったAIの役割です。
戦略担当AIは戦略を見る。財務担当AIは数字を見る。別のAIが弱点を指摘する。
最後に統括AIが全体をまとめる。その結果を見て、人間が最終判断をする。
こうなると、Claude Codeは単なる「第二の頭脳」ではありません。
My AI Brainであり、同時に、自分専用の AI コンサルティングファーム
になっていきます。
最初から完成形を作らない
私が一番大切だと思っているのは、最初から完璧なフォルダ構造を作ろうとしないことです。
資料が10個のときと、100個のときでは、最適な構造は違います。
新しい資料が入る。
Claudeが読む。
私が質問する。
新しい知識が生まれる。
必要ならフォルダ構造も変える。
つまり、知識が成長すると同時に、知識を入れる構造も成長していく。
私はこれを、「成長する知識構造」と捉えています。
AI時代、コンサルタントの役割も変わる
最近、私はAI時代のコンサルティングについて、こんな感覚を持っています。
ChatGPTでは、ひとつのテーマを深く掘る。
Claude Codeでは、多くの資料をつなぎ、全体を見る。
言い換えると、ChatGPTで深く潜る。
Claude Codeで全体を俯瞰する。
そして、最後に人間が、「では、どちらへ進むのか」を決める。
AIが分析や整理を担えるようになるほど、人間に求められるのは、
「何を問うのか」「何を意味づけるのか」「何を決めるのか」
という部分になっていくと思います。
Claude Codeのフォルダ設計を考えているうちに、私は単なるファイル整理ではなく、AI時代の新しい知識の持ち方そのものを設計しているように感じるようになりました。
フォルダ設計は、頭脳設計。
Agent設計は、組織設計。
そして、その頭脳と組織をどこへ向かわせるかを決める。
それが、これからも人間に残る大切な役割だと思っています。
